2日目
朝焼けに照らされたあの「何か」はまだ同じ位置にいた
君が人だとしたら食べなくては、死ぬのだろう?
排泄はしているのか?
運動は?
呼吸すらしてないのでは?
まぁいいか、どうにもならないし、どうにもできない
私も同様に動いていないしな、あの「何か」と私に大差などない
狭い小窓が、さらに狭くなった、くしゃくしゃと捩じこまれた兄弟
お前は何を知っていて何を伝えに来たんだ?
残念ながら、私は受け取る器も、記憶として書き込む隙間もないのだ
わかっているだろう兄弟、君も同じさ私たちは刻まれた知識をただただ伝えるために送り込まれる
それだけが存在理由で、それだけの価値しかないのに今はそれすらも全う出来ない
私の価値は、日に日に下がっていく
兄弟が横に来てくれたおかげで窮屈な感じもしたが、きっちりとはまり落下する心配が減った
下を見下ろすと見るも無惨な兄さん達
次の兄弟が来たら私も彼らの上にダイブする事になるだろう
考えても仕方ない、もう何もできないし、何もないのだ
しかしあの人影、動きはするものの全くあのドアの先から
出てこないな
気になる、私が考えるのは今はそれだけになってきてしまった
明日には、あの底に落ちるのだから